共有結合とイオン結合の違いについて、電気陰性度を用いて強さ、融点、沸点などを比較してみよう!

こんにちは。

今回は、「共有結合」「イオン結合」という2種類の化学結合について
それぞれの特徴と違いを考えてみたいと思います!

化学の世界では、原子イオンが「物質の材料」です。
物質は、原子やイオンがパズルのように組み立てられて作られています。

「共有結合」「イオン結合」は、その中でも最も大切な組み立て方の2つです。
レゴブロックで言えば、最も大きな穴を使ってくっつける方法と言えます!

この2つによって、高校化学でつまづきやすい有機化学や無機化学、酸塩基などの理論化学も説明ができるので、暗記量もぐっと減らすことができます!

今日は久しぶりにせいちゃんふーくんも登場するので、心で恋愛を想像しながら楽しく考えましょう!(化学を恋愛に例える考え方は、こちらこちらの記事をご覧ください!)

スポンサーリンク

 相互作用とは?

実際に2つの化学結合について説明する前に、相互作用という言葉に触れておきます。

化学では、原子やイオンや分子が、他の原子やイオンや分子と、引き付け合ったり遠ざけ合ったりする(力がはたらく)ことで、化学反応や様々な物質の特徴が説明できます。

この引き付け合う、遠ざけ合うという作用を、相互作用と呼びます。
全ての相互作用は正電荷(原子核)負電荷(電子)クーロンの法則によって起こるものです。(そのため、全ての相互作用は恋愛で考えることができます笑)

なので、相互作用によって

  • 何と何が引きつけ合っているか(遠ざけ合っているか)?
  • 引きつけ合う(遠ざけ合う)強さはどのくらいか?またどうしてそうなるか

に注目すると、覚えやすいと思います!

スポンサーリンク

結合とは?

では、今回扱う「共有結合」「イオン結合」という言葉に用いられている
結合についてもイメージを膨らませましょう。

文字通り、結合とは相互作用が強いことで、惹きつけ合った者同士がくっつきあって1つになっている状態です。
魅力を感じ惹かれ合った男女が固く結びあって1つになる……と考えると妄想が止まりませんね。笑
僕も高校の時は、考え始めると勉強どころではありませんでした。
しかし、堅苦しい化学の勉強で出てくる結合も、妄想と全く変わりなく、くっつき合う様子なのです。笑


イメージができたところで、更に進んでみましょう。

弱い相互作用では、お互い「いいな」と思うだけで、近づいてくっつこうという気持ちが湧きません。仮にくっついても、すぐに離れてしまいます。

しかし、相互作用が強くなると、1つになることで安心感が得られるため(エネルギーの低い状態になるため)結合を作ることができます

そして、更に相互作用が強くなると、今度は作られた結合が簡単なことでは離れにくくなります。固い絆で結ばれ、周囲からの邪魔や誘惑にも負けずに深く抱きしめ合った状態ですね。

相互作用の強さによって、結合の強さ(くっつきやすさや離れやすさ)が違うため、
相互作用にも結合にもいくつか種類があります。
「共有結合」も「イオン結合」も結合を作るため強い相互作用ではあるのですが、結合の強さに若干の違いがあります。

では、実際に2つの結合がどのようなものか詳しく見ていきましょう!

 共有結合とは?

では、初めに
「共有結合」の特徴について見ていきましょう!

共有結合は、字の如く
電子対を2つの原子(原子核)で共有することで出来る結合
です。

2つの原子核が部屋を差し出す→電子のエネルギーが低くなる

言葉だとわかりづらいので、絵に描いてイメージをしてみます。

以前、価電子と電子配置について触れましたが、
特に典型元素(1族、2族、12~18族)の原子に関しては、最外殻(最も外側の電子)の見晴らしの良い4つの部屋(例外としてK殻は1つの部屋)に入っている電子が、結合を作るために重要で、これを価電子と呼びます。

また、1つの部屋に2つ対になって入った電子を電子対(でんしつい)と呼びます。

共有結合」を作るためには、まず繋がりたい2つの原子(原子核)が、お互いの部屋を差し出して、パワーアップした居心地の良い部屋を作ることが前提です。そこに、2個の電子(電子対)が入ったときに共有結合ができます。


このパワーアップした金ピカの部屋(2つの原子核に挟まれた部屋)に入った2つの電子は、
2つの正電荷(異性)に囲まれているようなものなので、凄く居心地がいいです。
つまり、この2つの電子は、エネルギーが低い状態にあります。

一度エネルギーが低い安定した状態になった電子は、
なかなかこの部屋を抜け出しません。
この状態を維持しようとします。
そのため、この2つの電子がこの状態を保っている限り、2つの原子はくっつきあって離れないわけです。

共有結合」が強い結合であるのは、間に用意された部屋に入った電子が、安定したエネルギーの低い状態になるからと言えます。

共有結合を作るためには、2つの原子の協力が必要!

上の説明では、どんな原子でも、2つの原子が部屋を差し出せば、安定な2つの電子を共有して共有結合が作れてしまうのでは?と思ってしまいそうですよね。

ただ、実際の化学では、全ての原子が出会う度に共有結合を作れるわけではありません。
共有結合を作るためには、2つの原子が以下の条件を満たして協力し合う必要があります。

  1. 2つの原子が、希ガス配置を満たす必要がある。希ガス配置についてはこちらで以前説明しましたが、最外殻の見晴らしの良い4つの部屋(K殻は1つの部屋)に電子が全て埋まった状態を指します。言い換えれば、これらの部屋に8つの電子が埋まった状態です。共有結合を作る場合でも、差し出した部屋を含めて8つの電子が回りにあると原子はとても安定になるので、ごく一部の例外を除いて、この希ガス配置を崩してまで共有結合を作ることはありません。むしろこの希ガス配置を作るために、原子は共有結合を作るわけです。
  2. 2つの原子が、ほぼ同じ強さで力強く電子対を引っ張る必要がある(言い換えると、原子がそれぞれ大きな電気陰性度を持ち、かつその差が小さい)少し難しくなりましたが、これが非常に重要です。原子は、その性質によって、原子核が電子対を引っ張る能力に差があります。この能力を電気陰性度と呼びます。まずはこの電気陰性度がある程度大きくなければ、結合に使われる電子対を、自分の元に留めておくことが出来ないため、電子はどこかへ行ってしまい共有結合は作れません。また、この電気陰性度が、双方の原子によって極端に差ができる場合は、共有する以前に片方の原子が電子対を奪ってしまうため、共有することができません。例として、原子Aが原子Bに比べて電気陰性度が極端に大きいと、原子Aが電子対を強く引っ張って奪ってしまうのです。そのため、電気陰性度に差が少なくほぼ同じ力で引っ張り合うというのも、共有結合には必要です。

イオン結合とは?

では、電気陰性度という新参者が現れ、頭が混乱してしまう方もいらっしゃると思うので、
イオン結合」と一緒にまとめてわかりやすく図に表してみたいと思います!

イオン結合」は、2つの原子の電気陰性度の差が大きく、共有できない電子対が片方にに引き寄せられ、2つのイオンになってしまった状態を指します。

図のように、左の原子の原子核(電気陰性度が大きい方)が強く電子対を引っ張ると、
2つの原子核が同じように部屋を差し出すことは出来ず、
左側の原子が電子対を奪ったような形になります。

奪った原子が陰イオン、奪われた原子が陽イオンとなるような場合が多く、
この場合は符号の違う2種類のイオンが出来上がります。

イオン結合は、強いクーロン力によって1つになる状態!

この図を見る限りでは、2種類の粒子(イオン)に分かれてしまっているため、
結合と呼べるのかな?と思う方もいると思います。

しかし、イオンは粒子全体が電荷を持っているため、陽イオン陰イオンが丸ごと強いクーロン力によって結びつき合おうとするのです。
(イオンに働くクーロン力についてはこちらで少し説明しています。)

その為、周りの環境が邪魔しなければ、イオン同士が囲まれ合いくっつき合い1つになることができます。そして、これも強固であり簡単には離すことができません。

イオン結合」が強い結合であるのは、イオンが電荷を持つために強いクーロン力によって結びつくためであります。

イオン結合は、電気陰性度の差が必要!

共有結合の例にならって、
イオン結合を作るのに必要な条件もまとめておきます。

  1. 2つの原子が、希ガス配置を満たしたイオンになること。共有結合同様、原子が電子対を奪った(奪われた)結果、希ガス配置になり、なおかつイオンになる必要があります。
  2. 2つの原子のうち、片方は電気陰性度が大きく、もう片方は小さい。(電気陰性度の差が大きい)図のように、片方の原子が電子対を横取りして譲らないためには、
    奪う側は電子対を引き寄せる力、すなわち電気陰性度が大きく
    逆に奪われる側小さくなくてはいけません。

 共有結合とイオン結合の違い

では、最後に2つの比較をして、特徴を掴んでいきましょう。

結合の強さ

どちらも結合という名前がつくくらいので、結合の強さは強いです。

ただ、共有結合は2つに挟まれた安定した電子が離れるのを拒んでいる分、イオン結合に比べて少し強いイメージです。

イオン結合も強いのですが、種類によっては、水に簡単に溶けてしまうものも多く、環境を適切に整えればイオン結合を切りやすくなる例が多いです。

絶対にではなく、イメージとして
共有結合の方がイオン結合より強固そう
という認識で大丈夫です。

融点、沸点

融点は固体が液体に変化する温度
沸点は液体が気体に変化する温度
です。

共有結合もイオン結合も強固な結合であるため
それを切って液体や気体にするためにはたくさんの熱が必要になります。
そのため、共有結合でできた結晶(黒鉛やダイヤモンド)やイオン結合で出来た結晶(塩化ナトリウム)は、融点も沸点も高く、常温では固体の物がほとんどです。

その他

特記すべき特徴があれば今後更新します。

まとめ

  1. 正電荷(原子核)負電荷(電子)のクーロンの法則によって、原子や分子など惹きつけ合ったり遠ざけ合ったりする(相互作用する)。
  2. 結合とは強い相互作用で惹きつけ合いくっついて1つになること。
  3. 共有結合は、2つの原子が部屋を差し出して、入った2つの電子(電子対)のエネルギーが低く安定になることで作られる。
    2つの原子の電気陰性度が「ほぼ同じく」「どちらも強い」必要がある。
  4. イオン結合とは、電子対が片方の原子に奪われ、陰イオンと陽イオンが生じ、2つのイオンのクーロン力によって生じる結合である。
    2つの原子の電気陰性度の「差が大きい」必要がある。
  5. 共有結合イオン結合強固な結合である。
    共有結合の方が若干切れにくいイメージでOK。

最後までお読みいただきありがとうございました!

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする