イオンの構造と電子配置を軌道と共に学ぶ!電荷密度や、安定なイオンの種類についてもわかりやすく解説!

こんにちは。

本日は化学の基礎を学ぶ上で重要な
「イオン」について、
いつも以上に詳しく説明しようと思います。

というのも、
イオンについての理解が十分にできていると、
続々と出てくる高校化学の単元も、
大学の教科書も
スラスラ読める量が格段に増えます。

一方、僕のように
イオンについての知識を全て丸暗記にしてしまうと、
後々のテストでも苦しむことになります。

教科書には少ない、
覚えやすいイメージを心がけますので、
参考にしていただけると嬉しいです。

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イオンとは?

イオンを一言で定義すれば、「電荷を持った粒子」です。

正電荷(+の電荷)を持っていれば陽イオン
負電荷(-の電荷)を持っていれば陰イオン
と呼ばれます。

教科書を読むと難しく考えてしまうのですが、
これ以上「イオンって難しそうな言葉だけど、なんだ?」と悩む必要はありません。

イオンとは、の電気を持っているモノ
とだけ覚えましょう。

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イオンの特徴は?

クーロンの法則

イオンは電気を持っているので、

陽イオン
陰イオンに囲まれたくて

陰イオン陽イオンに囲まれたいと思っています。

+と-が引きあう、クーロンの法則ですね。
せいちゃん(正電荷)ふーくん(負電荷)が寄り添う愛の法則です。笑

以前原子について考えたときには、
原子核=せいちゃんに、沢山の電子=ふーくんが群がる図を考えましたが、

イオンの場合はもっと簡単です。
陽イオンせいちゃん 陰イオンふーくん
です。

お互い、沢山の異性に囲まれたい気持ちを持っていると考えてください。

価数

イオンは電荷を持っているのですが、
電荷の量が大きくなるほど陽イオンと陰イオンが惹き付け合う力は大きくなるため、イオン1個につき一体どれくらいの電荷を持っているのかを量として表す必要があります。

後ほど述べますが、イオンは粒子が持つ電子の数によって、粒子の持つ電荷量が変わるので、電子1個分の電気量の大きさが±1として数えられます。

この数字をイオンの価数と呼びます。

例を示すと、
電子2個分の大きさの正電荷を持つ陽イオンの価数は+2
電子1個分の大きさの負電荷を持つ陰イオンの価数は-1

です。

電荷密度

高校の教科書には載っていませんが、
電荷密度という考え方は、どんなイオンが安定に作られるか考えるときに役に立つので、是非イメージしてください。

電荷密度とは、文字通り、粒子の大きさに対して電荷の量がどのくらいかを表す密度です。
電荷がギュっと詰まっていれば電荷密度は大きくなりますね。

電荷密度の大小は、一般的に次のような影響を持ちます。

  1. 電荷密度が大きいほど、クーロン力(惹き付け合う力)が大きくなる。
  2. 電荷密度が大きいほど、エネルギーが高く不安定になる。

1については、
異性でも、顔が好みだったり、髪の毛が素敵だったり、
局所的に魅力を感じるとぐっと惹きつけられることがあります。
むしろ、バランスが良くても特徴がない異性より魅力的かもしれません。
なので、魅力的な部分(電荷)がギュっと1か所に詰まっている方が、異性は寄ってきやすいのです。

2については、
1か所を徹底的に磨き続けるのは凄く大変なことと例えられます。
魅力を維持するにはお手入れも大変ですし、他の部分にコンプレックスを感じてしまうと気持ちも落ち込みます。
もちろんイオンの粒子の構造によって変わってくるのですが、
自分の身体にまんべんなく魅力を分散させる方が、お手入れのハードルも難易度も下がり、コンプレックスも解消されるので、エネルギーが低く安定ということになります。

電荷を持つ部分は水に溶ける

イオンの特性として、
電荷を持っている部分は水に溶けやすいという性質があります。

詳しいことは、機会があれば別ページで纏めようと思いますので
ここでは控えますが、凄く重要な事実です。

イオンはどういう仕組みで出来るか?

材料は中性の原子(分子)

電子配置の項では、原子核の中の陽子(ハート)の数は元素(水素、酸素など)によって異なり、同じ数の電子が惹きつけられ、用意された部屋に入ってイチャイチャする様子を説明しました。笑

この場合は、陽子の電子の数が釣り合っているため、
電荷を持たない(価数が0)状態です。これを正でも負でもない電気的中性と呼びます。

しかし、現実にこの原子状態で存在するのはエネルギーが高く難しいです。

外側の殻が埋まった満席(希ガス配置)を目指す

原子状態でいるのが難しい理由の1つに、希ガス配置の安定性があります。

外側の殻が全て埋まった満席の状態を「希ガス配置」と呼ぶのですが、この状態はバランスが良いため、芸術点が高く満足度が上がります。そのため希ガス配置のエネルギーは他に比べて低く安定なのです。

なので、全ての原子は希ガス配置を目指します。

希ガス配置を満たす条件

原子(分子)が希ガス配置の芸術点を得る為には、3つの方法があります。

  1. 電子を放出して陽イオンになる。
  2. 電子を受け取って陰イオンになる。
  3. 電子を他の原子と共有する。

1については、中性からマイナスの電気が飛んで行ってプラスになります。
\( 0-(-)=+\)

2については、中性からマイナスの電気を受け取るのでマイナスです。
\( 0+(-)=-\)

1もしくは2を満たしやすいものがイオンになりやすい粒子です。
どちらも満たせないものは、3を使って希ガス配置になりますが、これはイオンではないため、
ここでは1や2をどうやったら満たしやすいか?どのような粒子がイオンになりやすいか?を考えてみます。

 希ガス配置かつ電荷密度が低いと安定

ここまで触れた内容をまとめると、
作られたイオンが希ガス配置を満たし、更に電荷密度が低い
安定なイオンを作ることができるということになります。

ただし、いくつか例外もあるので詳しく説明していきます。

どんなイオンが出来るか?

実際に化学でよく登場するイオンについて、
今まで触れてきた条件を考えながら
周期表と共に見ていきましょう!

前置きとして、原子1個から成るイオンを単原子イオンと呼びます。
以下では単原子イオンのできやすさについて説明します。

第1族


簡易的な周期表を用意してみました。笑
手元に教科書や周期表がある方は一緒にご覧ください。

第1族の元素は価電子が1個なので、1価の陽イオン(+1)になります。

リチウム(Li)以下はK殻、L殻、M殻…と
電子が埋まった希ガス配置を作れるため、
アルカリ金属元素と呼ばれています。

それに対し水素(H)は陽イオンにはなれますが電子が無くなってしまうため、
アルカリ金属元素には含みません。
また、非常に小さいので電荷密度は大きめです。

また、1族だけを見れば
下に行くほどイオンの大きさは大きくなるため、電子密度は大きくなります。
そのため、下に行くほど陽イオンになりやすいと言えます。

第2族


第2族は価電子が2個なので、2つの電子を放出することで2価の陽イオンになりやすい性質を持ちます。そのため、ベリリウム、マグネシウム以外はアルカリ土類金属元素と呼ばれています。

ただし、アルカリ金属とは違い、価数が増え、電荷密度も大きいため、アルカリ金属の方がイオンになりやすいです。

電荷密度が大きすぎるベリリウム(Be)の2価の陽イオンは出来にくいことが知られているようです。また、マグネシウム(Mg)は2価の陽イオンにはなりますが、イオン性だけでは説明できない例外的な性質を持つため、アルカリ土類金属には含まれていません。

また、1族同様、周期表の下へ向かうほど電荷密度は小さくなるため、イオンになりやすいと言えます。

遷移元素


遷移元素は3族~11族に位置する元素です。
ここに位置する原子はこちらで説明した、「見通しの悪い部屋」に入る電子も関係するため、説明が難しいです。元素によって取り得る価数も変わります。

1価、2価、3価の陽イオンになるものが多いですが、
場合によっては4価の陽イオンなどになれる元素もあります。

遷移金属以外の物質でも、
アルミニウム(Al)や鉛(Pb)、スズ(Sn)などの金属は同様に陽イオンになります。

高校の範囲では価数を根拠を持って特定することが難しいので、
代表的なものだけピックアップして覚えていくようにしましょう。

また、イオンになれない物質も存在しますが、
これは、高校では「金属のイオン化傾向」のみ暗記すればOKです。
ここでは詳しい説明は控えます。

非金属元素(B,C,N,O,Si,P,S)

第2、3周期の非金属元素は、比較的イオンになりにくい元素になります。

特に、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、ケイ素(Si)、リン(P)は
希ガス配置を持つためには3価以上の価数を持つ必要があります。

また、原子の大きさも比較的小さいため、
仮にイオンができるとすると電荷密度が大きく不安定になってしまいます。
そのため、イオンを作るよりも共有結合をつくる方を好みます。

また、硫黄(S)は2価の陰イオン硫化物イオン\(S^{2-} \)を作ることができますが、
単原子イオンとして扱う場合はほとんどないため、
イオンになる特殊な場合が出てきたときに、例外として覚えたほうが良いかもしれません。

酸素(O)は、2価の陰イオン酸化物イオン\(O^{2-} \)を作ることができます。
これは電荷密度が大きいにも関わらず比較的安定なのですが、その理由は次のハロゲンと共に説明します。

ハロゲン(第17族) ※例外なので注意!

周期表で第17族の元素はすべてハロゲンと呼ばれています。

ハロゲンの価電子は7個なので、1個の電子を取り込むことで希ガス配置を作ることができます。

つまり、1価の陰イオンになりやすいということになります。

ハロゲンで大事になるのが、
周期表の上の原子の方が(電荷密度は高いが)イオンになりやすいということです。例外的な性質を示すのはなぜか、簡単に説明します。

陰イオンを作るためには、電子を1個お部屋に案内しなくてはいけません。
この時に必要なのが、原子核電子クーロン力です。

クーロン力は、距離が近いほど強く働きます。
つまり、原子核から離れた部屋に呼ぶときよりも、
近くの部屋に呼び寄せる方が、電子は原子核の近くでいちゃいちゃできるわけなので、安定したイオンを作ることができます。

そのため、陰イオンを形成するハロゲンに限っては
原子の大きさの小さい(周期表で上にある)フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)の順に陰イオンになりやすいのです。

酸素が電荷密度の大きい2価の陰イオンになれるのも、
原子の大きさが小さく、強く電子を引っ張れるからになります。

このように、原子核が電子を引っ張る強さに電気陰性度というものがあります。
酸素やフッ素は電気陰性度の大きい代表的な原子です。

希ガス(第18族)


第18族の元素は希ガスと呼びます。

これらの元素は、中性の原子の状態で、一番外側の殻が満席(希ガス配置)になっています。そのため、基本的にイオンも結合も全く作りません。
1つの原子が全く結合を作らないため、単原子分子と呼ばれます。

多原子イオン

ここまで、単原子イオンについていくつか種類を紹介しましたが、

単原子イオンのうち、2価以上の陰イオンが容易にできるのは
酸化物イオン\(O^{2-} \)だけになります。
3価以上の陰イオンは単原子イオンでは作るのが難しいです。

これは、単原子では粒子の大きさが小さく、電荷密度が大きくなってしまうことが理由の1つです。

そのため、複数の原子が結合した状態で、電荷を持てる部分が大きくなった多原子イオンになると、電荷密度が大きくなるため、価数の大きなイオンが作れる場合があります。また、1価のイオンもあります。

硝酸イオン\(NO_3^{-} \)
硫酸イオン\(SO_4^{2-} \)
リン酸イオン\(PO_4^{3-} \)
水酸化物イオン\(OH^{-} \)
は代表的な多原子の陰イオンです。

また、
アンモニウムイオン\(NH_4^{+} \)
は代表的な多原子の陽イオンです。

これらは後々少しずつ出てくるので、
一気に暗記しようとせずに、慣れ親しんでいきましょう!

まとめ

  1. イオン「電荷を持った粒子」正電荷(+の電荷)を持っていれば陽イオン
    負電荷(-の電荷)を持っていれば陰イオン
  2. 電荷密度が大きいほど、クーロン力(惹き付け合う力)大きくなるが、エネルギーが高く不安定になる。
  3. 希ガス配置を満たし、更に電荷密度が低い
    安定なイオンを作ることができる!
  4. ハロゲンの単原子イオンは例外的に、
    電子を強く惹きつけられる小さいフッ素が一番イオンになりやすい
  5. 他原子イオンになると電荷密度が小さくなるため、
    価数の大きな陰イオンも存在する!

非常に長くてすみませんが、
最後までお読みいただきありがとうございました。

感想等ありましたらお気軽にコメントください!

追記

高校の化学で出てくる大半のイオンに関しては
上記の考え方で覚えることが可能なのですが、

陰イオンの場合に例外が生じるように、
実際には単原子イオンの場合
電子がどの程度原子に留められるかという「有効核電荷」の考え方を用いるため
ハロゲンの記述で用いたものが主流になるかと思います。

しかし、分子中に電荷を抱える場合は、本文中同様
電荷(主に電子)を抱える部分が広い(共鳴化している)イオンは安定化しやすいので
電荷密度が低い方ができやすいイオンになります。

あくまで頻出のイオンの種類を覚える上では一助になるかと思いますが、
厳密な理論ではないため、
今後の説明をしていく上で不都合が生じた際には書き直す場合があります。
ご了承いただければ幸いです。

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