気体、液体、固体の間での状態変化と熱の出入り、密度や体積の関係を解説!

こんにちは。

今回は、物質が「気体」「液体」「固体」と姿を変えていく「状態変化」の仕組みについて触れたいと思います。

暮らしの中でも、同じ部屋にあるのに、固体のものもあれば液体のものもありますね。そして空気はもちろん気体になります。
また、同じようにコンロにかけて加熱しても、溶けて液体になるものもあれば、溶けずに固まったままのものもありますね。

このような状態の違いは、物質の性質に違いがあるために出来るものです。

今回は、特に「状態変化」が起きる理由と、物質によってどうして差が出来るかに着目していきます!
※ここでは、話を単純化するため、純粋な分子でできた物質に絞って話を進めます。

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分子間力と熱運動

「状態変化」をイメージしやすくするために、「分子間力」「熱運動」という2つの言葉を考えてみましょう!

一言で説明するなら、

「分子間力」は分子同士がくっつこうとする力(引力)
「熱運動」
は分子同士が離れようとする力(斥力)

です。

この2つの関係によって、分子がくっついたり、離れたりします。
これが、気体や液体など状態が変わる原因になります。

分子間力とは?

共有結合やイオン結合は「強い」相互作用 (強く引き付け合う)

分子やイオンなどの粒子同士が、引き付け合ったり遠ざけ合ったりする相互作用は、全てクーロンの法則によって、正電荷負電荷が惹きつけ合ったり、正電荷どうし、負電荷どうしが遠ざけ合うことによって起こります。化学が恋愛に例えられるのは、正電荷と負電荷があたかも男女のように惹きつけ合うからです。

原子同士がお部屋を出し合って共有できる状態にあるときは、原子と原子は共有結合を作って強く惹き付け合うことができます。
また、イオンはそれ自体が電荷を持った球であるため、陽イオン陰イオンが惹きつけ合ってイオン結合を作ることができます。

分子間力は、それよりも「弱い」相互作用 (少し引きつけ合う)

では、イオンどうしではなく、
分子どうしが引き合う力(分子間力)の場合はどうでしょうか。

分子は、全ての原子が希ガス配置の状態をとり安定しているので
お部屋を出し合って共有結合を作ることができません
また、分子全体では電荷を持たないので、強いクーロン力でイオン結合を作ることもできません。

その為、分子間力は、原子の電気陰性度の差などによって生じる電荷の偏り(分極)が生み出すクーロン力や、分子同士が近づいたりすることで電子の位置がわずかに変わることで生じる電荷(誘起双極子)が生み出すクーロン力によって引き合う力になります。

分子間力には成り立ちによっていくつか種類がありますが、
どの分子間力も、イオンのようにはっきりとした電荷ではないため、
イオン同士の相互作用に比べて弱いものと考えましょう。

熱運動とは?

熱とは、分子の運動エネルギー

では、もう1つのKeyword「熱運動」について考えてみましょう。

は以前少し触れましたが、
丁寧に言えば、粒子が「乱雑に」動く運動エネルギーです。
分子の場合も同じく、「分子が熱を持つ」=「分子が乱雑に動く運動エネルギーを持つ」ということになります。

この「分子の熱による乱雑な動き」を「熱運動」と呼びます。

熱をたくさん持つと、熱運動は激しくなり、分子は離れようとする

分子がよりたくさんの熱を持てば、その分運動エネルギーが大きくなる(速度が大きくなる)ので、分子の熱運動も強く激しくなるわけです。

そのため、周りにある分子とくっついていると激しく運動できないので、分子同士は離れようとします。

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分子の状態 「固体」「液体」「気体」

では、「分子間力」「熱運動」がそれぞれの状態(固体、液体、気体)とどのような関係があるのか考えてみましょう!

「固体」「液体」「気体」とは何か?

分子の「くっつき度」が違う

「分子間力」は分子どうしが引き付け合う力、「熱運動」は分子どうしが遠ざけ合う力なので、

両方のバランスによって、分子がどの程度くっつけるか(くっつき度)が変わります。
「固体」「液体」「気体」など分子の状態が変わる(状態変化が起こる)のは、分子のくっつき度が変わるからです。

では、それぞれの状態とくっつき度について、詳しく見ていきましょう!

「固体」:分子がくっついてその場を動けない

温度が低く、熱が少ないときは、分子の熱運動は穏やかなので、余り離れようとしません。

そのため、分子は分子間力によって、お互いくっついて「おしくらまんじゅう」状態を作ります。
分子はぎゅうぎゅうにくっついているため、小さな熱運動だけでは別の場所に移動することができません。

このように、分子どうしがくっついて身動きが取れない状態「固体」です。

固体が簡単には変形しないのは、分子(粒子)の身動きが取れず、同じ場所にとどまり続けるからなんですね。

「液体」:分子は動けるが、遠くには行けない

では、温度が高くなり、分子の熱運動が大きくなると、どうなるでしょうか?

分子間力だけでは同じ場所に留めることができず、分子はあちこち動き回ります。しかし、分子の群れを離れて飛び回るだけの熱が無い場合は、周りの分子の近くを動き回ることになります。

このように、分子が群れながら動き回る状態「液体」と呼びます。
液体が固体とは違い流れやすい(流動性がある)のは、分子が動ける状態にあるからです。

「気体」:分子が群れを作らず飛び回る

さらに熱運動が激しくなると、分子間力という小さな力だけでは群れを作ることも出来ず、分子は散り散りになって飛び回ります。この状態が「気体」です。

固体や液体に比べて、気体の分子は動ける範囲が非常に広くなります。すなわち、体積が非常に大きくなるということです。

 密度と体積

熱運動によって分子が動きやすい状態にある場合は、分子の動ける範囲が広がるため体積は大きくなります。

なので、一般的な物質は、熱を加えるほど体積が大きく(密度が小さく)なります。
同様に、熱を加えていくと固体→液体→気体の順に変化をするので、

体積は固体<液体<<<<気体の関係になり、
密度は固体>液体>>>>気体の関係になります。
異常液体と呼ばれる、水やケイ素などの特殊な液体では少し異なるのですが、その内容は後日更新します。

まとめ

以上の内容を図にまとめると以下のようになります。

状態変化

次に、分子の状態が変わる「状態変化」について見ていきます。

ここでは、いくつか覚えるべき単語が出てくるので少し気合を入れましょう!

状態変化の種類

以下に、状態変化の種類と名称をまとめます!

加熱による状態変化

まずは、加熱によって熱運動が大きくなり、分子が自由になる変化から。

  • 固体→液体への変化を「融解」と呼びます。
    「融」も「解」も「とける」と読むので、覚えやすいと思います。
  • 液体→気体への変化を「蒸発」と呼びます。
    分子が「発」射されて遠くへ放たれるイメージですね。
  • 固体→気体への変化を「昇華」と呼びます。
    2ランクアップなので「華」やかです。笑

冷却による状態変化

次に、冷却によって熱運動が小さくなり、分子が束縛される変化です。

  • 気体→液体への変化を「凝縮」と呼びます。
    体積が急激に「縮」んでしまうと覚えましょう。
  • 液体→固体への変化を「凝固」と呼びます。
    「固」体になって「固」まる変化です。
  • 気体→固体への変化を「昇華」と呼びます。
    2ランクダウンも、同じく「華」やかなので同じ名前がついています。

状態変化と熱の出入り

最後に、状態変化が起こるときに特別に生じる熱の出入りについて触れます!
熱の出入りは、入試の計算問題でも定番なので、ここができれば点数アップになります!

温度変化に使われる熱

当たり前だろ!と言われるかもしれませんが、
温度を上げるためには熱を加えなくてはいけませんし、
温度を下げるためには熱を取り除く必要があります。

温度が変わる際にはまず熱の出入りがあるということを念頭に置きましょう。

状態変化などに使われる熱(温度変化なし)

一方で、温度変化が無くても、熱の出入りがある場合があります。
状態変化化学反応などが起こった場合が主な例です。
物質が溶媒に溶ける「溶解」も熱の出入りがあります。

理由は、物の形がA→Bへ変わる(違う状態になる)ということは、必ずエネルギー状態が変わるということになります。

2つのエネルギーが違う状態で変化をする場合は、そのエネルギーの差を熱として吸収したり、放出しなければ変化は進みません。(エネルギーと熱の関係についてはこちら)

状態変化の場合も変化の前後でエネルギーに差が出るため、熱の出入りが生じます。

加熱で進む状態変化→吸熱反応
冷却で進む状態変化→発熱反応

状態変化に伴う熱の出入りでは、

熱を出す(発熱する)のか、熱を吸う(吸熱する)のかを見分ける必要があります。

これは、
熱による運動エネルギーが、気体>液体>固体となっていることがわかっていれば見分けることができます。

加熱する場合は、より熱の必要なエネルギーの高い状態へ変化するので、
分子が熱を吸収する必要があるため、吸熱反応となります。

冷却する場合は、熱の要らない状態への変化なので、
分子は余分な熱を放出するため、発熱反応となります。

状態変化以外の化学反応などでも、
エネルギーの高い状態へ変化するには、熱を吸収してエネルギーに変える必要があるため、
吸熱反応になることを覚えておきましょう!

まとめ

  1. 分子間力」は、分子どうしがくっつこうとする力(引力)
    分子自体は電荷を持たないので、分子間力は弱い力
  2. 熱運動」は、分子どうしが離れようとする力(斥力)
    熱が加えられるほど分子は激しく動く!
  3. 分子の状態「固体」「液体」「気体」は分子のくっつき度を表す!
  4. 熱運動の大きさも、分子が動ける範囲も、気体>液体>固体なので、
    体積は気体>液体>固体となる!
  5. 加熱で進む状態変化は、エネルギーの高い状態になるために熱を吸収する吸熱反応
    冷却で進む状態変化は、余分なエネルギーを熱として放出するため発熱反応

最後までお読み頂きありがとうございました!

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コメント

  1. […] 凍る=固体になるということは、 分子の運動が極端に少なくなって規則的に並ぶことを意味します。 (このサイト、わかりやすくて面白いです笑→化学がつまらない人へ捧げるブログ) […]