エネルギーと仕事の違いとは?物理でも化学でも重要な考え方をわかりやすく説明!

こんにちは。

今回は、「エネルギー」「仕事」という2つの言葉について取り上げたいと思います。

少し物理寄りのテーマになりますが、
化学でも定量的に理解したい(計算して大小を比較したい)場合にはよく出てくる言葉なので、イメージができると化学の学習もぐっと能率が上がると思います。

「エネルギー」とは?

エネルギーについては、こちらの記事で
ふーくん(負電荷くん)せいちゃん(正電荷ちゃん)への熱い想いを用いて解説しました。

ふーくんはせいちゃんのことが大好きなので、

ふーくんはせいちゃんの近くにいると、心が落ち着いて幸せになります。
心地よく安定した状態はエネルギーが低いと言えます。

逆に、せいちゃんとの距離が縮まらず、もどかしい日々はエネルギーが高い不安定な状態で、
なんとかして距離を縮めたい!せいちゃんを抱きしめたい!という気持ちになりますね。

言い換えると
不安定な状態はエネルギーが高く、そのエネルギーは安定したエネルギーの低い状態へ向かいたいという気持ちによっ燃料に変わる。

ということになります。
ここで注意して欲しいのが、この燃料は、せいちゃんの元に向かうために使われるわけではないということです。

上の図を用いて少し説明します。

①はふーくんが一人で寂しく暮らしているときのエネルギー。
②はふーくんがせいちゃんと一緒に暮らして幸せなときのエネルギーです。

ふーくんが一人の状態から、せいちゃんとラブラブに変わることで、
エネルギーの差(ΔE)が燃料として消費されます。
2人の恋の場合は、心や体を温める熱(ハート)に変わるために消費されるのです。

ここで、少し考えてください。
もし、ふーくんがせいちゃんにあまり魅力を感じていなかった場合はどうなるでしょう?
一緒に居てもあまり落ち着かないので、②は不安定になってしまいます。
そうすると、①と②のエネルギー差ΔEは小さいので、あまり熱(ハート)が出ないのです。

2人の相性が良ければ良いほど、②の状態はどんどん安定化していくので、
ΔEが大きくなり、沢山のエネルギーを燃やしてハートに変えることができます。

「仕事」とは?

普段の生活の中では、仕事はお金を稼いだり、成果を生み出すためにすることですね。
そして、仕事をするためには健康な体がチカラを出さなければいけません。

化学や物理でいう「仕事」も全く同じで、
チカラ成果を上げることです。

ここでいう成果とは、基本的に何かのエネルギーを高めることを指します。

ふーくんの例で見てみましょう。

ふーくんは、できることなら24時間せいちゃんと一緒に居たいのですが、
職場に向かう時間を作らなくてはいけません。
職場は苦しいことも多く、人間関係も息苦しいのでエネルギーの高い状態です。

嫌でも向かわなくてはいけないとき、
歯を食いしばったり、リポビタンDを飲んだり、周りから応援を受けたりして、
チカラを注ぎこむことでエネルギーの高い状態を作ることができます。

エネルギーの異なる状態にふーくんを押し上げたことを、
物理的には「チカラがふーくんに仕事をした」といいます。

「仕事」=何かにエネルギーをもたらす
と捉えてください。

「エネルギー」と「仕事」の関係は?

2つの言葉を個別に説明すると、少し紛らわしかったかもしれません。
ここで2つの言葉を繋げてみましょう。

仕事をすると何かのエネルギーを高めることができます。
しかし、仕事をするにはチカラが必要で、そのチカラを生み出すためにはエネルギーが必要です。

すなわち、
「あるエネルギーを別のエネルギーに変換するために仕事が必要」
ということになります。

ここで、一つ例を示してみます。

ボウリングの球を転がすときには
人間が作り出したエネルギーによって押し出すチカラを作り、
チカラが球に仕事をして、球の運動エネルギーを高めるため球が転がります。

人間のエネルギーを球の運動エネルギーに変換するために、
仕事が仲介してくれている、というイメージですね。

エネルギーは100%仕事にはできない

ボウリングの例を少し掘り下げます。

目的の仕事が、球のスピードを上げることだとしましょう。
人間が消費するエネルギーを、全て球の運動エネルギーに変えることはできるでしょうか?

実際には、余計な力が入って思うように転がらなかったり、
汗によってすっぽ抜けてしまうこともありますね。
助走の足が合わない、なんてこともあるかもしれません。

つまり、実際に人間が消費したエネルギーのうち、
球速を上げる(特定の仕事を行う)のに使えるエネルギーはごくわずかです。

ふーくんが仕事に行くときにも、
途中で汗をかいた熱が出てしまったり、
道によっては人込みを掻き分けるのにエネルギーが必要な場合もあります。

このように、
消費したエネルギーのうち、どれだけが目的の仕事に使えたか?というものが
仕事の効率、エネルギー変換効率、熱効率などの効率で表されます。

できることなら少ないエネルギーで効率よく仕事ができればいいのですが、
100%仕事に回すことは無理で、
化学の世界では50%も目的のものに使えればバンザイ、と言ったところでしょうか…。
Wikipediaのエネルギー効率の欄を参照しても、この効率を上げるのが如何に難しいかということがわかりますね…。

まとめ

  1. エネルギーは
    不安定な高い状態から、安定な低い状態に移るときに
    燃料として消費することができる!
  2. チカラが仕事をするときには、
    何かにエネルギーをもたらす(エネルギーを高める)ことができる!
  3. エネルギーを別のエネルギーに変換するときに仕事が必要になる!
  4. エネルギーを、やりたい仕事に100%注ぐことは不可能!
    よって、エネルギーも100%変換することはできない!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

追記

仕事の効率について少しお話しましたが、

似たような言葉として「仕事率」という言葉があります。

混同しやすいのですが、
効率はお伝えした通り、目的のものに何%変換できたか、というものです。
言わば燃費ですね。

これに対して、仕事率は仕事の速さを指します。
効率がいくら悪くても、数分で大量の仕事をこなせた場合は仕事率はよい、ということです。燃料をバカ食いしても作業が早ければ仕事率は良いです。

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